1998年度秋季野外研修「相模原北西部の大沢・田名地区の産業」

田名の養蚕

次に見学したのは,田名地区にある相模田名民家資料館です。
民家資料館
この資料館,写真を見ればわかるように,段丘崖の所に崖下から階段を上って入るように建てられています。普通こういう建て方をした民家はないわけで,この建物もやはりよそから移築してきたものだそうです。建物自体はこの地方の代表的な養蚕農家ということでした。
ところで,この資料館はが運営しているのではなくて,田名地区の人々で作られた田名財産管理委員会が運営しています。1941(昭和16)年に周辺の町村と合併して相模原町(現・相模原市)の一部になった当時の田名村は,相模川の対岸の現在城山町になっている山林に共有地を持っていました。戦後になってそこにゴルフ場などが作られたので,その土地使用料を有効に使う方法として,地域の文化を継承するためにこの資料館が開かれたのだそうです。

民家資料館(2) 民家資料館(3)

資料館の1階は畳敷きの部屋になっています。日常の生活空間ということですね。奥の部屋にはいろりもあります。ここで地区の人々や小学生などが集まって集会ができるようになっているのですが,時にはさまざまな展示会が行われることもあります。私たちが見学したときには「秋の農器具」として収穫時期に使われたいたさまざまな農具が展示されていました。

民家資料館(3) 民家資料館(4)
民家資料館(4)
2階は常設展示場になっていて,このあたりの農村の主産業であった養蚕についての資料を中心に展示してあります。カイコの成長過程から,カイコ(まゆ)を作らせるためのまぶしという道具,から生糸をとるまでに使われるさまざまな道具があって,なかなかに面白い展示です(さすがに生きているカイコは置いてないのですが,大変リアルな模型が置いてあります)。現在では産業としての重要性はなくなってしまったのですが,地区の小学校では今でもカイコを飼う授業が行われているそうです。実はこの資料館の1階部分は夏の間は畳をあげて,そこで実際にカイコを飼っているのだそうです。そうして収穫したが展示されていました。


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1999. 2. 3 野外研修委員会