1999年度 
  地理分科会野外研修委員会夏季県外研修

 今年は「奈良盆地における歴史地理環境と産業」をテーマに奈良盆地を中心に実施した。
8月18日(水)
近鉄奈良駅前に参加者32名が集合。
1・2日目の講師は奈良県立大宇陀高校の米澤宏一先生。午後0時半に駅前を出発。
天理教本部・神殿
午後1時に天理市の天理教本部神殿に到着。天理教本部綜合案内所の河原氏より、天理教と神殿の説明を受ける。参加者一同、神殿の壮大さに圧倒された。
石上神宮
神社の由来の説明を受けた後、正式参拝をし、目的の七支刀を拝見させていただいた。国宝の実物の見学を希望して交渉を続けていたが、結局レプリカしか見せていただけなかった。このレプリカでも一般には公開をしていないもので、きわめて実物に近いものであると説明を受けた。
三輪山
奈良盆地を南下して、大神神社に移動。ここでも正式参拝した後、今回の研修会の目玉の一つである禁足地三輪山に入山する。約2時間かけて山中にある磐座(いわくら)に参拝したが、入山後は全員汗びっしょりであった。

8月19日(木)
朝8時15分に宿舎を出発。
長谷寺
8時30分に長谷寺に参拝した。 長谷寺の前に広がる門前町を歩く。
大宇陀町
奈良盆地の東にあり、昔懐かしい面影を残す城下町大宇陀を訪ねた。講師の案内で、町内を歩き、薬草園で、吉野葛について見学した。
三輪
三輪そうめんの本場、三輪に移動し、池利千寿亭で社長よりそうめんの由来や現状等の話を聞いた後、昼食に葛入りそうめんを食べた。
飛鳥
午後は飛鳥寺にバスをおき、飛鳥池遺跡周辺を見学したあと、国立奈良文化財研究所飛鳥資料館に移動し、学芸室長の岩本氏から飛鳥の歴史的意義や日本最古の寺、山田寺の発掘と復元作業等の説明を受けた。
水平社歴史博物館
住井すえ氏の「橋のない川」の舞台となった御所市に移動し、水平社歴史博物館を見学した。改めて部落解放の苦難の歴史を感じることができた。

(宿舎)標高1700mの高さにあり、大阪府と奈良県の県境にある葛城山にロープウェイで上がり、葛城山頂にある国民宿舎葛城ロッジに宿泊した。標高差があるだけに快適で、また関西国際空港、通天閣、大阪城、天理教母屋群などが見渡せる山頂からの夜景は最高であった。

8月20日(金)
8時38分のロープウェイで下山、講師の京都成安女子高校の川西宏和先生と合流し、寺内町「今井町」に移動する。
今井
今井町では橿原市の観光ボランティアガイドにより2班に分かれて町内を案内していただき、今井町の歴史と今井町が町全体で町並みを保存に熱心に取り組んでいる様子を研修した。今井町で昼食をとった後、大和郡山に移動を始めたところ、激しい雷雨となった。
大和郡山
雷雨の中で大和郡山の観光ボランティアガイドの細田氏や教育委員会の埋蔵文化財担当の服部技師と合流後、車中で条里制、郡山城、平城京、富本銭等について、説明を受ける。天気の回復を待って、郡山を代表する産業、金魚養殖池の見学を行った。最後に「稗田」の環濠集落を見学し、午後4時に、JR奈良駅で解散して、今回の研修を終了した。

3日間を通じて、急変する天候と暑さとの戦いが心配であったが何とか、乗り越えて内容のある研修にする事ができて、参加者の多くの方々には満足していただけたものと確信している。


天理教総本山の
神殿 <天理市>


石上神宮
七支刀のレプリカを見学 <天理市>


国立飛鳥資料館で
学芸員の方が説明
 <橿原市>


水平社博物館の館内
にある水平社宣言
 <橿原市>


寺内町の町並みを残す今井町


今井町のくさび形に交差する路地
<橿原市>


金魚の養殖
<大和郡山市>


稗田の環壕集落
<大和郡山市>