かながわの川

 

大岡川(堀割川)周辺 

JR根岸駅から磯子区西町・滝頭、中区根岸台周辺の歴史

 

 JR根岸駅付近は、駅の東側に工場地帯が広がり、西側は公団を初めとする中・高

層のマンション群が立ち並ぶ住宅地となっている。1964年に京浜東北線(根岸線)

桜木町から磯子まで延長され、前後に根岸湾から金沢区にかけての海面の埋め立てが進

み、この地域の様子は大きく変化した。

 江戸末期(横浜開港)のころ、根岸一帯は風光明媚な漁村であった。その後、明治初

年に堀割川が開削されてからは、横浜港との舟運が便利となり、徐々に市街地化も進ん

だ。 明治末から、大正初期には、本牧から根岸に至る海岸線の環境が人々を引きつけ

た。夏は海水浴客でにぎわい、また絹貿易などで財をなした商人達の別荘が建ち並んだ。

 1923年の関東大震災では、根岸一帯も大きな被害を受けた。山手や磯子の台地際で

崖崩れが発生、多くの犠牲者がでた。また、現在の根岸橋付近にあった横浜刑務所も、

煉瓦で作られた施設の大半が倒壊し、加えて地震後発生した火災によって、ここでも多

くの受刑者が命を落とした。

 震災後、横浜市は徐々に復興を遂げるが、交通面で復興を支えたのが、縦横に張り巡

らされた横浜の市電網であった。今日、磯子区滝頭にある市電保存館に当時の面影を語

る貴重な資料が、保存・展示されている。

 震災後の復興も束の間、横浜市は太平洋戦争の戦災で、再び大きな打撃を被った。さ

らに、根岸地区は戦後もアメリカ軍の占領が長引き、都市計画にも大きな影響を与えた。

現在も、根岸森林公園に隣接する根岸の米軍住宅は、返還されていない。2003年には、

この施設の市への返還と引き替えに、池子地区への新たな米軍住宅建設が示され、横浜

市は選択に苦慮している。

 

<見学可能な主な施設>

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旧柳下邸 磯子区下町 根岸なつかし公園内明治から大正期の有力商人であった柳下家

の別荘を、保存展示している。洋風建築と和風建築を組み合わせた独特の造りで、横浜

市の有形文化財に指定されている。当時の別荘建築を今に伝える、貴重な歴史資料。

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市電保存館 既に廃止された横浜市電の車輌や、写真・文献等を保存展示している。大

正から昭和の高度成長期まで、市民の足を支えた市電の様子を、視覚的・感覚的に知る

ことが出来る。

 

〈参考となるホームページ〉

横浜開港資料館

磯子区のプロフィール(磯子区役所)