県央・県北地区No6-01 合併で変わるマンホール(相模原市)

2008年3月作成

 

1.「新相模原市」誕生

いわゆる「平成の大合併」において神奈川県内では他県に比べ大規模な合併はあまり行われなかった。唯一の例外が相模原市である。旧津久井郡に属する全4町(城山町・津久井町・相模湖町・藤野町)で平成14(2002)年に住民アンケートが実施され、合併に向けて歩み始めた。そして、平成18(2006)年3月20日に津久井町・相模湖町が相模原市に編入し、その後平成19(2007)年3月11日に城山・藤野両町が相模原市に加わり、人口70万人を超える政令指定都市の候補市になった。


2.合併により変わる“マンホール”

マンホールの蓋は、各市町村でオリジナルのデザインの物が使用されており、地域色豊かなもので、その研究も最近ブームになっている。「平成の大合併」において各地でデザインが新規に統一される中さらに注目度があがり、各種メディアでもその変化を多く取り上げている。例として本校の垣下嘉徳(上溝南高校教諭)著『路上の芸術』(新風舎)を紹介しておきたい。神奈川県のものを中心に、高校教員ならではの視点も随所に見られる。今回の項目にも貴重な助言と資料を提供していただいた。



3.相模原市で現在見られる主なマンホール

以下に旧津久井郡と相模原市のマンホールを紹介する。マンホールのデザインは、市町村のマークや市町村の木、花、名所等が使われることが多い。

現在通常見られる相模原市のマンホールのデザインも左の汚水用が市の木「ケヤキ」と右の雨水用が市の花「アジサイ」がデザインされている。



 次に旧津久井郡で使用されているマンホールを紹介する。

(1)は城山町のもので、デザインは「かながわの景勝50選」の相模川の開腹式上路アーチ橋「小倉橋」と町の木「もみじ」。

(2)は相模湖町のもので、デザインは日本最初の多目的ダム「相模ダム」と町の木「かつら」と町の花「ヤマユリ」と町の鳥「オシドリ」。

(3)は津久井町のもので、デザインは横浜市の水源地としての「水と山(水源涵養林)」。

(4)は藤野町のもので、デザインは町の花「フジ」。

 

いずれのマンホールも随時「相模原市」のものに置き換えられていく運命である。平成の大合併によって日本各地でこの様なささやかな「地域性」が失われていくのは非常に残念である。


(1)                  (2)





(3)                   (4)


4.相模原市内の意外なマンホール

市内を横切る「水道道」と呼ばれ遊歩道等に利用されている竣工が明治20年の「横浜水道」の導水管上の道路のマンホールは、「横浜市」のものである。横浜水道の取水地点は当時の道志川合流点上流三井村(現在城山町)で、その後やや上流に移動し現在に至っている。             【上溝南高校 谷田 和久】



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